金融リテラシーとは
ふところプラスの目的は、たくさんの人に「預金以外の資産形成」を知ってもらい、幸せな未来を送ってもらうことです。
このページでは金融リテラシーってなんだろう、という方に向けて記事を掲載しています。
まずは簡単な3択のテストを受けてみましょう(正解は1つとは限りません)。もしこのテストの意図がなんとなくわかる、ということであれば、このページで得られることはあまりありません。それでも一応最後まで読んでいただけたら嬉しいですが、ほかのあなたに必要な情報を探しに行きましょう。
Q1.あなたはバイトをしている大学生です。先月は大学のサークル活動でバイトがあまりできず、合宿にも行ってしまったため、お金が少し不足しています。ところが、同期から来月の旅行に誘われました。どうしますか。
A: 断る B: 今月のバイトを増やす C: とりあえず行ってから考える
Q2.あなたは入社後3年経過した独身の会社員です。学生時代に比べて自由な時間は減りましたが、金銭的には安定しています。余裕が出てきたお金の使い道について悩んでいます。どうしますか。
A: 預金する B: 自己啓発に使う C: 投資する
Q3.あなたは入社後10年経過した既婚の会社員です。子供はおらず配偶者と共働きで、保有している金融資産は預金だけです。保険会社の先輩から、保険に入らないかと勧められました。どうしますか。
A: 生命保険に入る B: 年金保険(元本保証型)に入る C: 年金保険(iDeCo)に入る
Q4.あなたは定年まであと5年の既婚の会社員です。子供は自立し配偶者と共働きで、保有している金融資産は預金だけで、1,500万円です。老後2,000万円が必要と言われ焦っています。どうしますか。
A: 株式投資をはじめる B: 毎月の貯蓄を増やす C: 生活水準を下げる
Q5.あなたは80歳の年金生活をしている高齢者です。配偶者が先立ち、子供は自立しています。保有している資産は自宅と預金です。相続について考えることにしました。どうしますか。
A: 子供と相談する B: 友人から情報収集をする C: 信託銀行に相談する
さて、テストは解けたでしょうか。
金融リテラシーってなに?
金融リテラシーはお金に関する知識です。みなさんご存じのとおり、お金は生活の基盤になるものです。小さなころからお小遣いやお年玉の使い道について、ご両親に細かく言われてきた人も多いでしょう。お金の使い道とは家計の管理のことです。この家計の管理も最も基本的な金融リテラシーの1つと言えます。では、家計の管理以外の金融リテラシーとはなんでしょうか。
金融リテラシーは大きく分けると次の4つの知識を指しています。
- 家計管理
- 生活設計
- 金融と経済の基礎知識と、金融商品を選ぶスキル
- 外部の知見の適切な活用
1の家計管理については先ほどお話ししたとおり、お金の使い道をきちんと確認しておきましょう、ということです。家計については赤字を解消し、黒字を確保することを優先すべきです。ですから、お金をどんどん使ってしまう、ということは避けておいた方がよいでしょう。
では、2の生活設計とはなんでしょうか。生活設計とはライフプランを立てることです。一生をどうやって過ごしていこうか、ある程度考えながら行動すること、ということになります。一見、お金とは無関係のように思いますが、結婚や育児などライフプランの一大イベントにはお金の問題が付きまといます。ですから、どういうライフプランを立てているかによって、お金の使い方は異なりますし、自分が一生のどのあたりにいるか、ということを確認しておくことも必要だということです。
3の金融経済基礎知識と金融商品を選ぶスキル、というのは金融リテラシーのなかでも最も難しい分野です。経済は“物価”だとか、“失業率”だとか、そういった勉強とリンクしたものです。それに加えて、金融商品を選べ、と言われた時には、「面倒だから預金にします」、となってもおかしくないでしょう。ただ、個人に影響を与える分野は多くありません。まずは物価について押さえておきましょう。最も基本的な経済概念で、この一つの軸があると金融商品を選ぶこともやや簡単になります。 4の外部の知見の適切な活用は、専門家に聞こう、ということです。金融にまつわる困ったことはそれぞれ専門家がいます。その専門家をきちっと知っておきましょう。また、妙な電話だとかに引っかからないようにしましょう、ということになります。
なぜ金融リテラシーが必要なの?
金融リテラシーは幅が広く、取り組みにくい題材も多く存在します。
それでも、なぜ金融リテラシーは必要なのでしょうか。それは金融リテラシーの有無によって、生活の質が大きく変わってしまうからです。
先月無駄遣いをしてしまったから今月は生活が苦しい、といったことは誰しもが経験したことのある状況でしょう。お金は一生付き合っていくものです。短期間での失敗の積み重ねが、人生全体に大きく影響を及ぼしてしまう可能性があります。ですから、金融リテラシーがとても大切なのです。
金融リテラシーのなかでも重要度で並べかえたものが、上の1,2,3,4です。
まずは現時点での家計をできるだけ黒字にすること。これが最も大切です。そのためには収入を増やすか、支出を減らすかのいずれかの方法を取らねばなりません。
そして、お金を考えるうえで外せないのは、ライフプランと現在のライフステージです。ライフステージを考えるうえで、お金の出入りということを考えておく必要があります。まだ若く給与収入が当面の間見込める状況であれば、預金よりも自らの能力を高めよりよい収入を得られるように自己啓発に使うという選択肢や、預金よりも損失を被るリスクが高いものの平均収益率の高い投資を行う、といった判断が良い場合もあるということです。逆に、老年期に入り、貯蓄を切り崩していく段階になれば、無理に黒字にすることを目標としなくてもよくなります。ライフプランと現在のライフステージに応じて金融をうまく使うことで、余裕の大きい生活をすることが可能になるのです。
3や4は、その時々に応じて必要度合いが変わりますが、知っておくとオトクになることが多い情報です。 このように金融リテラシーは生活の質を大きく左右します。苦しい生活を長く続けることになるか、それとも充実した一生を送るかは金融リテラシーの有無によって大きく変わってしまいます。ですから、金融リテラシーが必要なのです。
昔よりも増す金融リテラシーの重要度
この金融リテラシーは昔に比べると重要度が上がっています。
その理由は、長寿化が進んでいるからです。
長生きをするとお金を使う期間がより長くなります。以前、厚労省の2,000万円問題が話題に上がっていましたが、本当に大切なことは「2,000万円あれば足りるということではない」ということです。医療の発達により、今よりも長寿化が進んだ場合、2,000万円では足りない時代が来るということです。もはや、いくらあれば足りる、という回答を用意することができない状態です。
しかも、将来年金受給額は徐々に少なくなっていくと考えられます。長寿化が進めば、自然と高齢化は加速することになります。そうなれば、現役世代に年金を支えていくことは困難ですから、年金は減ることが想定されます。つまり、老後は貯蓄を切り崩しながら年金をもらって生活をするという考え方も通用しなくなっていきます。
ですから、早いうちから金融リテラシーを身に着け、老後も適切な金融リテラシーを用いて生活を送っていくことが必要とされるのです。 これらを考えれば、金融リテラシーの重要度が昔に比べて上がっていることも納得できるのではないでしょうか。
テストについて
最後に、実施したテストについて解説をしていきます。 これらは必ずしもこれが正解というわけではありませんが、参考にしていただける内容になっています。
Q1.あなたはバイトをしている大学生です。先月は大学のサークル活動でバイトがあまりできず、合宿にも行ってしまったため、お金が少し不足しています。ところが、同期から来月の旅行に誘われました。どうしますか。
A: 断る B: 今月のバイトを増やすC: とりあえず行ってから考える
当然Cはだめです。AかBを選択できていればよいでしょう。家計の黒字化に関するテストです。
Q2.あなたは入社後3年経過した独身の会社員です。学生時代に比べて自由な時間は減りましたが、金銭的には安定しています。余裕が出てきたお金の使い道について悩んでいます。どうしますか。
A: 預金する B: 自己啓発に使う C: 投資する
実はどれでもよい問題です。結婚などが具体化していればAでしょう。ただ、そういった事情がなければ、BやCを選ぶべきです。生活設計に関するテストです。
Q3.あなたは入社後10年経過した既婚の会社員です。子供はおらず配偶者と共働きで、保有している金融資産は預金だけです。保険会社の先輩から、保険に入らないかと勧められました。どうしますか。
A: 生命保険に入るB: 年金保険(元本保証型)に入る C: 年金保険(iDeCo)に入る
配偶者と共働きで子供もいないのであれば、生命保険はあまり必要ありません。配偶者が一人で生きていける能力を持っているためです。生命保険は手痛い出費になりがちなので、入るのであれば年金保険が良いでしょう。年齢を考慮するとBよりはCをおすすめします。金融商品に関するテストです。
Q4.あなたは定年まであと5年の既婚の会社員です。子供は自立し配偶者と共働きで、保有している金融資産は預金だけで、1,500万円です。老後2,000万円が必要と言われ焦っています。どうしますか。
A: 株式投資をはじめるB: 毎月の貯蓄を増やす C: 生活水準を下げる
まず2,000万円で足りるかどうかも分かりませんし、焦ってリスクの大きな株式投資をはじめることは推奨できません。特にライフステージも後半に差し掛かってきており、貯蓄を失った場合の痛手が大きすぎます。増やせるのであれば毎月の貯蓄を増やすことがよいですが、老後の資金が1,500万円でも足りるように生活水準を下げることを優先すべきではないでしょうか。生活設計と金融商品に関するテストです。
Q5.あなたは80歳の年金生活をしている高齢者です。配偶者が先立ち、子供は自立しています。保有している資産は自宅と預金です。相続について考えることにしました。どうしますか。
A: 子供と相談するB: 友人から情報収集をするC: 信託銀行に相談する
相続の専門は信託銀行です。遺言信託といった商品も扱っていますし、不動産関係にも強いです。80歳ですが、人生100年時代ということを考えれば、あと20年生活する可能性もあります。持っている不動産を活用する方法など幅広い知識を持っている信託銀行に相談するのが最も良いと考えられます。外部の知見に関するテストです。