前回、金融リテラシーはこれからの時代今までよりも大切になるということをお伝えしました。
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将来のことを考える(その1) ー 人口動態とは?
前回、金融リテラシーはこれからの時代今までよりも大切になるということをお伝えしました。 ふっちゃん長生きするようになるということは、お金を使う期間も増えるんだったね。 でも、年金はもしかしたら減るかも ...
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少子高齢化が進んで仕事をする年齢の人口が減ると国の収入である税金が減る可能性が高まります。一方で、高齢者は増えるので今と同じように年金を渡していると年金にかかる費用(社会保障費)はとても大きくなってしまいます。
もちろん税金が増えるように、子供がたくさんいる状況を作れれば一番ですが、もしそうならなかった場合には一人当たりの年金を減らしたり、年金をもらえる人を限定したりしなくてはいけないでしょう。
今日は日本の人口がどう変わっていくのかについて考えていきましょう。
目次
日本の人口動態について
日本の人口の推移(1965年~2065年)
まず、日本の人口がどのように推移してきた(していく)のか見てみましょう。
このグラフを見ると2010年に人口は最大となり、その後は徐々に人口減少に転じていることがわかります。今後もこの傾向は変わらず、2050年ごろには人口1億人になるわけです。人口が減ることが必ずしも悪いことではありませんが、人口が減り続ければ、経済の規模も減っていくため、良いことではありません。
しかし、これ以上に大切なのが、人口がどのように構成されているかです。
日本の年齢別人口構成(人口ピラミッド)
年齢別人口構成は国立社会保障・人口問題研究所(http://www.ipss.go.jp/)で簡単に手に入れることができます。
1995年の人口ピラミッド
1995年の人口ピラミッドでは生産年齢人口が最も多く、老年人口(前期・後期)はそこまで多くありませんでした。年少人口が生産年齢人口に比べて少なくなっており、少子化が話題に上がり始めた時期です。とはいえ、生産年齢人口は老年人口の5.14倍でした。
つまり、1人の年金受給者を5人以上で支えていたことになります。
2010年の人口ピラミッド
15年経過した2010年の人口ピラミッドがこちらです。日本の人口が一番多かった時期の人口ピラミッドですね。このころから医療の発達なども影響して後期老年人口が大きく増え始めていることがわかります。年少人口は一段と減ってきています。とはいえ、生産年齢人口が一番多い状態は維持されています。この時の生産年齢人口は老年人口の2.92倍でした。
つまり、1人の年金受給者を3人程度で支えていたことになります。
2025年の人口ピラミッド
さて、ここからは将来の話です。将来ですからあくまで推計になりますが、人口ピラミッドはどのように変化するでしょうか。
2025年の人口ピラミッドでは、老年人口が目に見えて大きくなりました。女性においては、生産年齢人口のトップよりも後期老年人口のトップの方が大きくなってしまっています。”団塊の世代”として有名な人たちが後期老年人口に入っているのですね。年少人口は2010年以降も減り続けています。この時の生産年齢人口は老年人口の2.04倍です。
1人の年金受給者を2人で支える状態になってしまうということです。
2040年の人口ピラミッド
そして、2040年の人口ピラミッドがこちらです。明らかに老年人口が大きくなっています。そして、これは医療が進化しない前提です。より医療が進化した場合には老年人口はこれよりも大きくなることが想定されるでしょう。生産年齢人口は徐々に減り続け、老年人口が多い状態。まさに少子高齢化の見本のような形になっています。この時の生産年齢人口は老年人口の1.62倍です。
1人の年金受給者を1.5人で支える状態になってしまいました。
公的年金に頼らない資産形成
ここまでくれば若ければ若いほど、老後は年金があるから大丈夫とは言えない、ということがわかってきたのではないでしょうか。
ちなみに2020年度の国民保険は月額65,141円です。もし仮に2040年の世界でもこれが同額であったとすると…
生産年齢人口の人は月に40,000円近く負担していることになる
ということです。これはやや乱暴な議論ですが(そうならないようにお金を運用してくれている人たちがいるからです)、公的年金に頼らず、自分たちの力で老後のための資産を作っていくことは今の働く世代にとってとても大切なことではないでしょうか。