資産形成は老後までの長い時間を利用して行っていくものです。
その際には、将来的に物価が変動することを考慮して資産形成を行うことがとても大切だと繰り返してきました。
ただ、投資に慣れていくにつれて、短期的な収益を狙ってみたいと思う人も多くなります。必ずしもうまくいくとは限りません。むしろ、過去の経験上では損失が出てしまうケースが多いと思いますが、今回はそんな短期トレードで心がけておくことと効果を発揮するインデックスの説明です。
こんな方におすすめ
- 短期的に株式投資で収益を狙う人
- 個別の企業を分析する時間的な余裕はない人
- 投資について詳しくなりたい人
短期投資の心得
長期投資は時間をかけて配当などの収益を得つつ徐々に積み増すものだとすると、短期取引は時間を限って資産の上下に賭けるようなものです。
この短期投資において、配当などはあまり関係ありません。配当などは保有期間(時間)に応じて得られる収益であるからです。時間を限って収益を稼ごうとする短期取引においては、資産そのものの価格が非常に大きな意味を持ちます。
金融機関においても、短期取引において収益を狙う機会がありますが、その際にはいくつかの決め事を設けます。
- 保有期間を決める
- 投資総額を決める
- 損失額を決める
これらのルールを定めることはとても大切なことです。
短期取引は賭け事に近い性質を持っています。勝率は努力で変動しますが、それでも勝つときもあれば負けるときもあります。
これらのルールは賭け事をいつまでやるか、いくらまで賭けるか、いくら負けたらやめるかをはじめる前に決めておきましょう、ということです。
注意ポイント
短期取引をするときは
① いつまで
② いくらまで
③ いくら損したら
を決めておこう!
ロングとショート
短期取引は資産の上下に賭ける、と言いました。
資産、例えば株だとすると、株価が上がると利益が出る保有状況(ポジション)を株のロングポジションと言います。一方で株価が下がると利益が出る保有状況を株のショートポジションと言います。
このロングポジションとショートポジションを使い分けることで、時間が限られた中でも常に利益を狙えるようになります。
- 株価が安いならロング!
- 株価が高いならショート!
というわけです。
ロングポジションは株を買うことと同じです。ではショートポジションは株を売る…ということになるわけですが、ない株を売るってどうするのでしょうか。
ブルとベア
このロングポジション・ショートポジションと関連して使われる言葉がブルとベアです。
このブルとベア両方とも動物由来の名前でブルは牡牛、ベアはクマのことです。
ブル
ブルは価格上昇に賭けるポジションのことを指します。
ブルは水牛で、下から上に突き上げるような攻撃手段を取りますね。ですから、上方向に突き上げるといった意味で使われているのです。
ですから、ブルはロングポジションと同じ意味で用いられます。
また、状況によっては、価格が上昇したことを指し示す場合もありますので注意してください。
ベア
一方でベアは価格下落に賭けるポジションのことを指します。
ベアはクマで、上から下に爪を振り下ろすような攻撃手段を取ることに由来しています。ですから、下方向に振り下ろすといった意味で使われているのです。
ブルとは対照的に、ショートポジションと同じ意味で用いられます。
ブルと同様に、価格が下落したことを指し示す場合もあります。
ブルファンド・ベアファンド
ブルとベアをなぜ話したかというと、この名前を使って投資信託の名前が付けられているケースが多いからです。
例えばJPX400という日本株のETFを例に取ってみると、
シンプレクス社のETFに
- JPX日経400ブル2倍上場投信レバレッジ
- JPX日経400ベア2倍上場投信ダブルインバース
という2つのETFがあります。
名前がめちゃくちゃ似ているのですが、このファンド実は全く異なる価格の動き方を示します。
上のファンドはブル2倍なので、JPX400の価格が上昇したときに大きく収益が出ます。
一方で、下のファンドはベア2倍なので、JPX400の価格が上昇したときには大きく損失が出るのです。
ブルとベアを間違えれば、大きくずれが出るわけですから必ず把握しておかなければいけません。
また、ベアの名前の最後についている、インバースというものもベアと同じ意味を持ちます。インバースで表現しているETFもたくさんあるので、抑えておきたいですね。
まとめ
今回は短期取引についてまとめてきました。
また、取引にあたって最低限知っておかなくてはならない、ブルとベアやインバースというものについても意味を説明してきました。
実は、このブルとベアやインバース、また、今回は触れなかったレバレッジという項目についてもまだまだ知っておいた方がいいことがありますので、また別の機会にまとめていこうと思います。
チェックリスト
- 短期取引は時間を限って収益を追い求めること
- 配当などの時間経過とともに入る収益ではなく、価格が大切
- 価格を中心に考えたときのポジションをロングポジションまたはショートポジションという
- ロングポジションをブル、ショートポジションをベア(インバース)と言い換えられる
- ファンドのなかには名前が酷似しているケースがあるので、しっかり確認をすること